未来の自分を望む姿へ変えていく『スタンフォードの自分を変える教室』徹底レビュー

[1]意志力の科学

こんにちは、今日のレビュー記事は
ケリー・マクゴニガル著
『スタンフォードの自分を変える教室」です。

早速ですが、本記事の見出しは以下のように
なっています。

[1]意志力の科学
[2]意志力とは何か?

 1.やる力
 2.やらない力
 3.望む力
[3]3つの力の鍛え方

 1.やる力の鍛え方
 2.やらない力の鍛え方
 3.望む力の鍛え方
[4]意志力と上手に付き合う方法
 1.自分を観察し、失敗する瞬間に気付く
 2.誘惑に名前をつける
 3.1.0分ルール
 4.生活習慣を改善する
[5]あとがき的なもの

では、さっそく行ってみましょう。

この本では『意志決定力を鍛えるための方法』
述べられています。

・ダイエットをしたいけど食べてしまう
・禁煙したいけど吸ってしまう
・貯金したいけど無駄遣いをしてしまう
・試験勉強したいけどスマホを触ってしまう
これらの悩みを多くの方は持ったことがあると
思います。これらをストップさせ目標を達成させる
には意志決定力、すなわち『意志力』が不可欠です。

上記の誘惑に対処するためのこの意志力について
鍛え方や上手に付き合っていく方法が書かれたのが
この『スタンフォードの自分を変える教室』です。

著者のケリー・マクゴニガルさんはスタンフォード
大学の教授で得意分野は『健康心理学』です。

・どうしたら物事を先延ばししないか
・どうしたら悪い習慣を辞め、健康的な習慣を
 身に着けられるのか
・そして、なぜ誘惑に負けてしまうのか

このような内容を自身の講座『意志力の科学』
自己コントロールに関する最新の見解を交えて
取り扱っています。

この講座はスタンフォード大学の数ある講座の
中でも指折りの人気講座であり、受講者は学生だけ
でなく企業の役員やスポーツ選手、医療従事者など
幅広いジャンルで活躍する人にも人気です。

驚くべきことにこの講座を受講したうちの94%
成果をあげていることがアンケートで分かりました。

自分のことが好きになった
自分の行動を自分の意思で選択できるようになった
などの数多くの声を得ています。

本著はこのケリー教授の講座『意志力の科学』
書籍にしたものです。

自身の講座「意志力の科学」は自己コントロールに
関する最新の見解を取り扱っています。

現代の生活は昔とくらべて惑わされる誘惑が
たくさんあり、なかなか願い通りの生活が
送れません。

ですが、安心してください。意志力は筋肉と同じで
トレーニングすることで鍛えることが出来ます。

意志力を鍛えることができれば、禁煙、ダイエット
節約、勉強、仕事などあらゆるもののハードルを
下げる事が出来ます。

そのヒントをこの記事でぜひ学んでいってください。

[2]意志力とは何か?

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漠然と『意志力』といってもぼんやりしますよね。
ここではこの意志力を明確に3つに分類します。
・やる力
・やらない力
・望む力

この3つが合わさったものが『意志力』と言えます。

この力は目で見ることは出来ませんが、脳のどこで
これらの思考が行われているのかについては
分かっています。

おでこのあたり、脳の前頭前皮質にこの3つの力は
割り当てられています。

前頭前皮質の左上はやる力をにない
右上はやらない力を
そしてそのどちらも支えるように
望む力が前頭前皮質の下部になります。

意志力とは非科学的なものではなく、れっきとした
脳の働きなんです。現実的に備わっている力なので
『筋力と同じように確実に鍛えていく』ことが
出来ます。

では、3つの意志の力を
具体的にひとつずつ見ていこうと思います。

1.やる力

文字通り、『すべきことを行う力』です。
すべきことを先延ばしにしない力とも言えます。
やると誓ったことでもその日の予定や
コンディションによって今日はいいかな、と
スルーしてしまうことが多い人はこのやる力を
鍛えていくのが良いですね。

自分が望む姿を手に入れたいのであれば
もちろんこの『やる力』が必要に

なってきます。

2.やらない力

これは『すべきではないことをしない力』です。
たとえば、
・スマホを見る時間を減らす
・甘いものを食べないようにする
・煙草をすうのをやめる
などの自分を誘惑するものに打ち勝ち、生活から
排除していく力のことです。

やる力よりもこの『やらない力の』ほうが重要で
あったりする方も多いのかもしれませんね。

消し去りたい悪習慣を断ち切るには
この『やらない力』なくしては
成し遂げられません。

3.望む力

これは、『モチベーションを思い出す力』です。
人はどうしようもないモチベーションの波に
揺らぎながら日々生活しています。

先週はやる気に満ちていてガンガン取り組んでいた
ことも数日たてば、その熱意も冷めていくのは
ある意味必然とも言えますよね。

沈んだモチベーションをまた奮い立たせる
には未来の自分の姿をもういちど強く
イメージし『努力の先に何を望むのか』を
しっかりと強く思い出すことが必要です。

これを可能にするのがこの望む力と言えます。

この3つの力を合わせて『意志力』と
呼んでいます。それぞれが別々のように思われる
かもしれませんが一番土台となるのは望む力です。

ここがぼやけているとやる力、やらない力も
ぼやけてしまいます。
まずはどのような未来を望むのか、強く意識
していきましょう。

この望む力が強ければ強いだけ
『やる力』『やらない力』どちらも強くなります。

[3]3つの力の鍛え方

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意志力をつかさどる3つの力はそれぞれが筋力と
同じで使えば使うほど鍛えられることが可能だと
いう事が分かっています。

ここではそれぞれの鍛え方についてご紹介します。

1.やる力の鍛え方

ドーパミンを味方につけることが有効です。
ドーパミンとは快楽を感じたときに分泌される
『脳内ホルモン』のひとつです。

・煙草を吸う時
・甘いものを食べる時
・ゲームをする時 など

中毒性のあるものに触れたときに分泌されます。

ドーパミンは別名『脳内麻薬』と言われたり
もします。ここを間違うとドーパミンを欲するが故
の行動へなってしまうので『うまく付き合うこと』
が必要です。

そのうまく付き合う方法として述べられているのは
「すべきこととドーパミンが分泌されることを
 結び付ける
」というものです。

例えば、
1時間勉強したら10分間ゲームをしてもOK
といった自分ルールを作り守ることです。

ただ1時間勉強をするよりも、楽しみが待っている
という『報酬の予感』があれば、より頑張る事が
出来ます。

すべきだと分かっているけど面倒なことにも
積極的に取り組めるようになります。
あらかじめ、すべきことと報酬をセットにすると
良いでしょう。

2.やらない力の鍛え方

ダイエット中の暴飲暴食、禁煙中の喫煙、
勉強中のゲームなどこれらは本来、やっては
いけない悪習慣です。

ですが、やってはいけないと思っていることほど
やってみたくなる事ってありませんか?

これを裏付ける「シロクマ実験」というものが
トリニティ大学で行われています。

学生を集め、次の様に言います。
「今から5分間シロクマの事を考えないで下さい」
彼らは普段はシロクマの事など考えることはない
でしょうが、この時はやはり全員シロクマの事を
考えてしまったそうです。

考えるな、と言われるから考えてしまった
という事ですね。

これらの事から『考えてはいけない』または
『やってはいけない』と決めることは逆効果
なる可能性もあります。

どうすればいいか、については以下の3つの方法
をご紹介します。

逆のプラスとなる事をやると決める高カロリーなものは食べない、ではなく
バランスよく食べる食生活にする などです。

そもそもコントロールしないやってはいけない、と思うからやりたくなるので
そもそも思考が浮かばないようにコントロール
すらしない

これから毎日やると決める明日も明後日もこれからずっと毎日10本喫煙する
などと決めてみましょう。そうするとふとした時
に『さすがにこのままだとヤバくないか?』
という思考が働くことになるそうです。

3.望む力の鍛え方

本書では、『意志力の感染を利用する』という
方法が述べられています。
意志力は感染するという事が分かっています。

例をあげますと
友人が肥満になった場合、
自分も肥満になる可能性が171%増加

兄弟が肥満になった場合、
自分も肥満になる可能性が67%増加
したという研究結果があります。

他にはルール違反のある形跡を見ただけで
同じようにルール違反をする確率が大幅に
増加した事例もあります。

ゴミが捨てられた浜辺ではゴミを置いていく
人が増える、というのと同じことですね。

こうしたことから『意志力は感染する』という
事が分かります。望む力を鍛えるには、この
法則を逆手に取ります。

モチベーションが下がった時には
『鉄の意志力を持つ人』のことを考えるのが
有効です。

これは出来るだけ近しい人を思い浮かべたほう
がより効果が高いことが分かっています。

もし、身近にそのような人がいない場合は
有名スポーツ選手や歴史上の偉人などでも
良いそうです。

モチベーションが下がった時には
『こんな時、あの人ならどうするかな』
自分に問いかけてみるのも良いでしょう。

意志力と上手に付き合う方法

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どんなに高い目標を立てようとも、今日は気分が
乗らずにやらなくていいかと楽な方に流れてしまい
そうになります。

こうしたラクな方に流されてしまう誘惑というもの
に対してどのように対処すればよいのでしょう?
その方法を4つご紹介します。

・自分を観察し、失敗する瞬間に気付く
・名前をつける
・10分ルール
・生活習慣を改善する

1.自分を観察し、失敗する瞬間に気付く

例えば、会社から帰宅し勉強をしようとしますが、
ついついスマホを触ってしまう。
この場合の失敗する瞬間は「スマホに触った時」
なります。

この自分の『失敗するパターンを認識する』こと
によって、どこに注意すれば良いのか理解すること
が出来ます。

先ほどの例であれば、スマホは手の届かない場所へ
置くか電源を切っておくなどの対処法が有効ですね。

無意識に行っていた自分の失敗行動を意識すること
によってその失敗の根源を遠ざけることが可能
なります。

2.誘惑に名前をつける

上記の『失敗する瞬間』に気付くことが出来るよう
になると、誘惑が湧き上がってくるのを察すること
が出来ます。その誘惑に名前をつけるのです。

出来るだけフザけた名前をつけることによって
『こんなフザけた奴に自分が負けるハズはない』
自分を奮い立たせることが出来るようになります。
以下に例をあげます。

クッキーを食べたい誘惑に「クッキーモンスター」
ゴロゴロしたい誘惑に「ゴロゴロキャット」
スマホを触りたい誘惑に「おさわり大臣」etc

3.10分ルール

ダイエット中にコンビニやスーパーで美味しそうな
デザートが売っていても手を伸ばさずに10分間
他の売り場を回る、お店を出るなどの行動で対処
してみましょう。

さらに呼吸をゆっくりとすることで、過敏になった
交感神経の働きは弱まり、欲望が沸きづらい
副交感神経が優位になります。

その結果、誘惑に打ち勝つことが出来やすくなる
でしょう。

4.生活習慣を改善する

運動、睡眠、食事をしっかりと行うことで自律神経
の働きもスムーズになり、誘惑に負けにくい意志力
を磨くことが出来ます。

副交感神経が優位であると、誘惑が沸きにくくなる
ことが分かっています。


生活習慣を改善し、健康的な心と身体であると
自律神経の働きもスムーズになり目標を妨げる誘惑
に打ち勝ちやすくなります。

[5]あとがき的なもの

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私たちは『自分の望む未来』へ向かって毎日歩いて
いるはずです。

ですが、時として志半ばで挫折してしまうことの
方が多いのではないかと思います。

良くあるパターンとして、目標を掲げたり、
こうなりたいという決心をしたということで満足
してしまい、そのまま何も行動に移さない
いうこともありますよね。

決心していたころのワクワク感はすぐに消え去って
しまいます。でも、そんな自分だからこそ
受け入れてあげて下さい。

意志力は自分に厳しくすれば鍛えられるという
ものでもありません。

やるべきことを出来なかった時の罪悪感は
モチベーションをさらに下げ自己コントロール力
さえ失ってしまいがちです。

そんな時でも
「自分にはやっぱり変わることなんて出来ない」
と責めてしまうのではなく、この場合に大切なのは
『失敗した自分を許す』ということです。

これまで生きてきた自分を変えるというのは、
とてつもないエネルギーが必要なことです。
もがき苦しむこともあると思います。

親しい誰かが同じようにもがき苦しんでいたら
あなたはどのような言葉をその人へかけますか?

きっと、『元気の出る前向きな言葉』を伝えて
あげるのではないかと思います。

同じように、自分へもそうした前向きな言葉を
投げかけてあげて下さい。そうして、また
手の届く範囲からチャレンジしていきましょう。

未来の自分を作るのは、今の自分です。
時には失敗しながら進むことで、数多くの
得られるものがあるのだろうと私は思います。

ということで、毎週のレビュー記事はとても
長くなってしまいます。

貴重なお時間を割いて頂いて
最後までご覧いただきありがとうございます。

本書は、『自分を変える教室』という題名の通り
未来を変えるポテンシャルを秘めた一冊である
心から思います。

ここで伝えられたことはごくごく一部となります。
気になった方はぜひ本書を手に取って
未来を変えていって下さい。

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