戦う全てのサラリーマンへ捧ぐ『イシューから始めよ』要約レビュー

[1]はじめに

こんにちは、今日は安宅和人さんの名著
『イシューからはじめよ』を要約していきます。

前回の『エッセンシャル思考』と同じく
全社会人に読んでもらいたい一冊です。

この本は『全てのサラリーマンに向けて書いた本』
と言えます。入社前の課題図書としてあげている
企業も多いそうです。

・普段の仕事の生産性を上げたいと感じている
・質の高い仕事をする極意を学びたい

このようなサラリーマンの方にとてもお勧めの
1冊です。

まず初めに、いつもの通り超簡単に著者である
安宅さんの経歴を紹介します。

東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程修了後、
マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。

その後4年半の勤務後、イェール大学脳神経化学
プログラムに入学し、2001年春に学位取得。

2001年末、マッキンゼー復帰に伴い日本に帰国。
マッキンゼーでは、10年以上に渡り
消費者マーケティングに従事、マーケティング研究
グループのアジア太平洋地域中心メンバーとして
事業開発、ブランドの立て直しに関与。

その後、2008年からヤフーへ移り、COO室長、
事業戦略統括本部長を経て2012年からCSOに
就任。

国の政策などにも助言を求められる、いわゆる
スーパービジネスマンです。

本書で安宅さんが伝えたいことは
『質や生産性の高い仕事とはどんなものなのか
 今一度考えて、再構築していこう』
というものです。

圧倒的に生産性の高い働き方とはどのようなもの
なのでしょうか?
あなたが今やってるその仕事は本当にすべきもの
なのでしょうか?

このレビューを通して、みなさんにも質や生産性の
高い仕事をより可能になるように一生懸命に要約を
していきますので最後までお付き合いください。

このレビューでは以下の目次を用意しました。

[1]はじめに
[2]イシューとは何なのか
[3]バリューの高い仕事を目指す
[4]良いイシューの条件

  1.本質的な選択肢であること
  2.深い仮説があること
  3.答えを出せること
[5]良いイシューの見つけ方
  1.仮説を立てる
  2.イシュー特定のための情報収集を行う
[6]アウトプットをつくる
  1.イシューを分解する
  2.ストーリーラインを作る
  3.聞き手を意識する
[7]あとがき的なもの

では、行きましょう。

[2]イシューとは何なのか

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そもそも本書の題名の『イシューからはじめよ』
イシュー(issue)って何よ?おいしいの?
という方向けに、今後の意識を合わせるためにも
そこの定義をハッキリとさせておきましょう。

イシューとは
・二つ以上のグループ間にまたがって
 まだ解決されていない問題
・白黒はっきりつけなければいけない問題
であると、安宅さんは述べています。

私たちの仕事は
・会社の業績を上げる
・より効率化をあげる
・クライアントのオーダーを達成する
などの目的をもってもちろん行われていますが
そのほとんどはイシューとはかけ離れた、
『場当たり的なもの』であることが大半です。

イシューとは、生産性や価値を最大限まで高めうる
『本質的な説くべき問題』とも言い換えることが
出来ます。

そこにフォーカスをすることで、少ない時間で
最大限の成果をあげることが出来るようになる、と
安宅さんは述べています。

与えられた問題を違和感もなく解くのではなく、
そもそもどの問題に取り掛かるべきなのか、を
見極める。

それが『イシューからはじめる』ということです。
よりデキるビジネスマンには必須の考え方である
ことがなんとなく分かったところで、次の項目へ
進んでいきましょう。

[3]バリューの高い仕事を目指す

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バリューとは『質や生産性』といった意味を
持ちます。では、プロフェッショナルを目指す人に
とって『バリューのある仕事』とはどのような
仕事なのでしょうか?

安宅さんはバリューの本質は
・イシュー度
・解の質
この2つから成り立っていると説明しています。

ここで言うイシュー度は自分の置かれた局面で
本当に説くべき問題なのか?その必要性が高い問い
であるほど『イシュー度が高い』と言い換える事が
出来ます。

『解の質の高さ』はそのイシューに対してどこまで
明確に答えを出しているかの度合いです。

図にしてみると以下のような図になり右上のエリア
に入るものが『バリューのある仕事』であると
言えます。

イシュー度が少なければどんなに質の高い解を
用意したところで右上のエリアには入れません。
とすれば、バリューのある仕事とは言えません。

ほとんどのビジネスマンはイシューを見極めること
が出来ておらす、与えられた問題に如何に質の良い
アウトプットを出すかに執着してしまっています。

この左のエリアからバリューの高い仕事を目指す事
を安宅さんは『犬の道』と一刀両断しています。
図で表すとこのようなアプローチです。

この図からも分かるように、安宅さんは本当に
バリューのある仕事を行ない、世界に意味のある
インパクトを出すためには特にイシュー度が大切
しているんですね。

安宅さんの述べる、バリューの高い仕事への
アプローチとはこのようになります。

ではこのイシュー度が高いイシューを見極めるには
どうすればいいのかを説明していきます。

まず第一にこれは当たり前とも思えますが
そもそも『問題は解くもの』と考えがちです。

ですが、まず最初にすべきは
『本当に解くべき問題、イシューを見極めること』
これから始めるべきなんです。

[4]良いイシューの条件

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イシューとは何か、バリューの高い仕事とは何か
がお分かりいただいたところで、良いイシュー
とはどんなものなのか、を共有していきたいと
思います。

安宅さんはこれらを満たすイシューが良いイシュー
である、と述べています。
1.本質的な選択肢であること
2.深い仮説があること
3.答えを出せること
順に見ていきます。

1.本質的な選択肢であること

本質的であるということは、その問題を解決すると
大きなインパクトを与えること、と言い換える
ことが出来ます。

例えば、売り上げが低迷している飲料水の会社が
あり、全社で立て直しを検討している、とします。

通常、考えられる選択肢としては
・今のブランドでそのまま戦う
・新ブランドに転換
などの議論が行われます。ですが、もっと本質的に
業界の市場規模の動向をしっかりと見据えるところ
からスタートするべきです。

上記の議論に結論をだしたところで市場規模
そのものが伸び悩んでいるのであれば本質的な
議論は市場規模の動向をしるというところで
あったことが分かります。

これまでの常識にとらわれない様な解決策を施す
ことが出来れば、今後の検討方向性に大きな影響
を与えることになります。

2.深い仮説があること

ここまでスタンスを取るのか、というところまで
一気に踏み込んでいて、常識を否定・覆すような
洞察があると、深い仮説ということが出来ます。

例をあげるとすれば『地動説』などですね。
それまでは太陽が地球の周りをまわっていると
考えられていましたが、実際は地球が太陽の周り
をまわっています。

まさにこれまでの常識を覆したところに仮説を
置いた良い見本であると思います。

3.答えを出せること

イシューとは
白黒はっきりさせなければいけない問題である、
と冒頭でお話しました。そもそもですが答えの
出ない問題であるのならイシューですら
ありませんよね。

ですが、世の中には重要であっても答えの出せない
問題があふれています。

人はなぜ生きるのか、などは重要ではあります。
ですが答えの出ない問題です。これらはイシュー
ではなくむしろ哲学の分野であると言えます。

答えを出すためには既存の手法、あるいは現在着手
しうるアプローチで答えを出せることが重要に
なってきますね。

これまで『良いイシューの条件』を見てきました。
これらを持ち合わせるような問題は多くはない
はずです。だからこそ、バリューのある仕事と
なりえるのですね。

では、どうしたら良いイシューを見つけることが
出来るのか?これを次の章で見ていきます。

[5]良いイシューの見つけ方

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良いイシューを見分けるための方法として
1.仮説を立てる
2.イシュー特定のための情報収集を行う
この二つがとても重要です。この章ではこれら2つ
のポイントに絞って説明していきます。

1.仮説を立てる

取り組んでいる問題の結果がどんなものになるのか
わからない時に『やってみないとわからんよねぇ』
と言って逃げがちです。しかし安宅さんは
『仮説を立ててスタンスをとることが大切だ』
述べています。

仮説をたてることで、それまで単なる質問だった
ことをイシューにすることができるからです。

『イシューを見極めること』に必ず必要なのは
『仮説を立てること』です。

例えば
『自社商品が販売数が低迷している理由は?』
という単なる設問ではなく
『市場規模は縮小傾向にあるのではないか?」
と仮説を立てることで取り組むべきイシューと
なります。

この二つによって次のアクションがどのように
変わるのかを想像してみると、仮説を立てること
の重要度がより分かりやすくなると思います。

上の質問では、商品力なのか、販売戦略なのか
陳列などの目に見える視覚の問題なのか
それともそもそも価格帯と見合っていないのか

何から手を付けたらよいのか途方にくれてしまい
ます。情報収集するだけでとてつもない労力が
かかりますよね。

情報収集を終えた次はブランドをリニューアルする
のか、顧客ターゲットを見直すのかなど様々な
改善案を出すことが必要になってきます。

普通に考えてめっちゃ大変そうですし、的外れな
対策も多く出てきそうです。まさに『犬の道』
呼べます。

それに対して、下の設問は
売り上げが低迷している理由はそもそも市場規模
だと仮定したのであれば、それに関する情報収集
だけを行えばよいのでピンポイントに集められる
ことが出来ます。

その結果、市場規模自体はまだ成長を続けている
という結果が得られれば、その情報も加味して
次は『価格帯があっていないのではないか?』
してみます。

次の仮説を用意し、またピンポイントに情報収集
を行えばよいです。さらに前回の市場規模の情報も
活用出来るので、より質の高い判断が出来るよう
になりました。

このように、仮説を用いるのはとても大切です。
質や生産性を高める、よりバリューのある仕事を
するには犬の道を進んではいけません。
仮説を用いて仕事を進めていきましょう。

仮説を立てたら次にそれを言葉に落とし込みます。
・これがイシューかな?
・ここが見極めところかな?

と思った時点でそれを言葉にして表現して
みてください。これがとても大切だと安宅さんは
述べています。

もし言葉にできなかった場合は結局のところ、
仮説の立て方が甘いからだと言えます。具体的な
言葉にすることでイシューがより明確になって
いきます。

このイシューの言語化をするときのポイントは
2つあるんですね。

1つ目は主語と動詞を入れることです。
日本語は主語がなくても成り立つ言語のため、
仮説が曖昧になることがあります。

主語と動詞をきちんと書き出すことによって
曖昧さがなくなります。

2つ目はWHATやHOWを意識することです。
イシューの言語化におけるもう1つのことは
『表現の形式』というものに注意をすることです。

イシューの表現は〇〇はなぜか、というWHYでは
なく、WHATやHOWを意識するとより具体的な
言葉に変換がしやすくなります。
・どちらの方がイシューの解決に最適か
・どこを目指すべきか
・何を行うべきか
・何を避けるべきか
・どう進むべきか

といった具体的な疑問形が良いです。

答えを出すためにイシューを整理すると、上記の
ような言い方になることが多いです。

こうして、仮説を立てることが出来たら
次にやるべきことは情報収集です。

2.イシュー特定のための情報収集を行う

仮説を立てて初めて本当に必要な情報や、入手する
べき分析の対象
が明確になっていきます。

仮説を立てることの重要性が分かったところで
より良いイシューを発見するための材料である情報
をどのように仕入れるのかを見て行きます。

情報を収集するうえで大事なのは取り組んでいる
仮説やテーマ、または対象について
『情報をざっくりと得る』ということです。

時間をかけすぎずに情報を集め、実態について
肌感覚を持つことが大切です。

イシュー特定のための情報収集のポイントは
3つあります
・一次情報に触れること
・基本情報をスキャンする
・調べすぎ集めすぎないこと

それぞれ具体的に紹介して行きます。

一次情報に触れること一次情報とは『誰のフィルターも通っていない』
生の情報、言い換えれば現場の情報とも言えます。

具体的にはものづくりの場合は生産されている工場
商品開発の場合は商品が販売されている現場
データの場合は加工されていない生データに
触れる。ということです。

現場で何が起こっているのかを見て、肌で感じない
限り理解できないことは多いです。

数日間は集中的に1次情報に触れることを安宅さん
は本書でお勧めしています。

極力、不純物が混ざっていない状態。ネットなどで
得た情報では3次、4次情報であるでしょうし、関係
のない誰かの主観が混ざったものである可能性が
高いです。

良いイシューを得るためには不純物の少ない情報
得ること、これはそうであろうと理解を
しやすいですね。

基本情報をスキャンする一次情報から得た感覚を持ちつつ、世の中の常識や
基本的なことをある程度の塊として漏れもないよう
素早く調べることです。

ビジネスの場合、以下の情報をざっくりと
あつめれば体系的に網羅されていると言えます。

・業界内部における競争関係
・新規参入者
・代替品
・顧客・買い手といった事業の下流
・サプライヤー供給企業といった事業の上流
・技術・イノベーション
・法制・規制

調べすぎ集めすぎないこと情報収集は『意図的にざっくり』とやりましょう。
つまりやりすぎないということです

情報収集にかけた努力や手間とその結果得られる
情報量は、あるところまでは正の相関があります
が、そこを過ぎると途端に新しい取り込みの
スピードが鈍ってきます。

この状態は『集めすぎ』となります。知りすぎは
もっと深刻な問題にもなります。

ある量を越えると急速に生み出される知恵が減り、
最も大切な『自分独自の観点がなくなってしまう』
からです。これはよくありますよね。

[6]アウトプットを作る

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この章では見極めたイシューに対し
質の高い解を出し、アウトプットを作る具体的な
方法について紹介します。

イシューの質を高めることはもちろんですが
最終的な解の質を問われる場面は多いのでは
ないでしょうか。

具体的なアウトプットをどのように作るとこれまで
の工程を最大限に活用できるか、を念頭において
進めていきましょう。

アウトプットを作るのに具体的なステップは
3つあります。
1.イシューを分解する
2.ストーリーラインを作る
3.アウトプットを完成させる
では、見ていきましょう。

1.イシューを分解する

イシューというのはかなり大きな塊です。
この大きな塊を答えの出せるサイズのイシュー、
つまりサブイシューに分解することが最初の
ステップです。

この時、『もれなく』『ダブりなく』『本質的』な
意味のあるかたまりに分解するように気をつけます。

『WHERE』『WHAT』『HOW』を当てはめて
いくと分類する際にヒントとなります。

『WHERE』はどのような領域を狙うべきか
『WHAT』は具体的な勝ちパターンをどう築くか
『HOW』は具体的な取り組みをどう実現するのか

ということになります。
ビジネスの場面では非常に使いやすいのでぜひ
意識してみてください。

『狙うべき市場ニーズ』とも言えるWHEREは
・どのようなセグメントに分けられるか
・時代的に留意するべきことはあるか
・具体的にどのような市場ニーズを狙うか

などのサブイシューに分けることができます。

『事業モデル』とも言えるWHATとHOWも
・バリューチェーン上のどのポジションを取るか
・どこで顧客を引き寄せるか
・どこで収益化するか

などのサブイシューに分けることが出来そうです。

このようにイシューを分解することによるメリット
としては
1.課題の全体像が掴みやすくなる
2.サブイシューのうち取り組む優先順位の高い
 ものが見えやすくなる

ということが挙げられます。

大きな問いであるイシューを細かいサブイシューに
砕いていき、答えの出せるサイズまで分解すること
がまずは重要です。

2.ストーリーラインを作る

イシューを分解してそれぞれのサブイシューに仮説
を立てることができたら次にストーリーライン
組み立てます。

最終的に何を言いたいのかを常に問いながら先ほど
のサブイシューを加工して行きます。

この時に有効な方法として2つポイントを挙げます。
・WHYの並びたて
・空・雨・傘

これもそれぞれ見ていきましょう。

WHYの並びたて『なぜ』という問いを並び立てることで理由や
具体的なやり方などをサポートすることができます。

3つの視点を持つというのはよく聞くかも
しれませんが非常に有効な言い回しと言えます。

例えば案件Aに投資すべきだという時、少なくとも
3つの視点でそれぞれのWHYを並べます。
・なぜ案件Aに魅力があるのか
・なぜ案件Aを手がけるべきなのか
・なぜ案件Aを手がけることができるのか

などです。

3つの視点からひとつのものを見ることで的確に
見ることが出来、それがストーリーをつくる時に
利用することも出来るようになります。

空・雨・傘2つ目の基本形は『空・雨・傘』です。こちらも
聞いたことがある人は多いかもしれません。

これは、特に人に何かを伝える際には大変有効な
ストーリーライン作りの基本形といえます。

空を見ると
→曇ってきたなあ
→雨が降りそうだ
→それなら傘を持っていこう

という日常でも見られるシンプルなロジックです。
ここで空というのは『事実』
雨は『解釈』そして
傘は『判断』ということになります。

この関係をストーリーラインを意識して言い換えると
空は
『〇〇が課題だ』という課題の確認になります

雨は
『この問題を解くためにはここを見極めなくては
 ならない』
という課題の深掘りになります。

傘は
『最終的にじゃあこうしよう』という結論に
なります。

当然ではありますが、『WHYの並びたて』も
『空・雨・傘』も最終的に言いたい事を支える
関係になっていることが重要です。

これらを意識しながら、ストーリーを組み立てて
いきます。目的によってもちろん違いますが
よくあるストーリーの流れは次のようなものです。

1.必要となる問題意識や前提となる知識の共有
2.鍵となるイシューやサブイシューの明確化
3.サブイシューについての検討結果を明示する
4.それらを統合し整理をする

これらを共有できるようなアウトプットを作ること
がバリューのあるアウトプットを作ることに
なります。

3.アウトプットを完成させるイシューを見極めそれを検証するストーリーライン
も見えたら次に分析イメージをデザインして
いきます。

これまでに言葉にしていたものをいよいよ、
視覚的なイメージにしていくプロセスです。

大事なのは『大胆に思い切って書く』ことです。
ですが、ここでもイシューから始めることを念頭
に置かなくてはいけません

『どのようなデータが取れそうかな?』という思考
ではなく『このデータが必要だろう』という視点
で組み立てていきます。

この章では以下の3つを挙げていきます。
・軸の整理
・イメージの具体化
・聞き手を意識する

これらを意識していくと質の高いアウトプットに
なります。

軸の整理軸の整理をすることで、避けて通れないのは分析
です。
『フェアに物事を比べることでその違いを
 見ること』
が分析の本質であると著者は
言います。

ここでは分析とは1言で言えばものとの比較
あり比べるということです

分析では適切な比較の軸を持つことが大前提と
なります。本質はどのような軸で何と何を比べる
のか見つけることと言えます。

定量的な分析には大きく3つの型があります。

[比較]
同じ量や同じ長さなど何らかの共通軸で2つ以上の
値を比べます。

[構成]
体脂肪率は何パーセントである。や毎日朝ごはんを
食べる人は何人に1人。などです。何を全体として
考え何に注視するのかが分析のカギとなります。

[変化]
これは同じものを軸で比較することです。売上の
推移や体重の推移など時間の経過によって変化を
見ることは大変有益です。

大きくはこの3つですが、あくまで『見せ方』と
いう視点で行くといろいろあります。

皆さんもエクセルなどで様々な種類のグラフや
チャートを見たことがありますよね。

イメージの具体化軸の整理が終わったら実際に数字を入れて
行きます。実際にチャートのイメージが出来て
くると、
・どのくらいの規模のデータが必要なのか
・何と何との比較がカギになるのか

これらがはっきりとしてきます。

この段階で結果の表現方法をイメージしながら整理
をしていくことが可能です。

そして比較によって得られた結果をはっきりと
することで、見る人に印象を強くあたえるような
構成にする
ことも重要です。

言い方を変えれば比べた結果、違いはどれほど
あったのかどうかということです。

通常はチャートなどで視覚的な比較ができたら
そこから『差がある』『変化がある』もしくは
『パターンがある』ということが分かり、
それらが質の高いアウトプットの材料となります。

聞き手を意識する質の高いアウトプットを必要とする場では
プレゼンが必須であると言えます。

プレゼンで意識するべきポイントは大きく3つ
であると言えます。

・意味のある課題を扱っていることを理解して
 もらう
・最終的なメッセージを理解してもらう
・メッセージに納得して行動してもらう

これが出来るプレゼンこそ、求めるプレゼンと
いえますね。チャートを揃え、めくりながら
流れを確認していきます。話の順番やメリハリ
を調整したりも忘れずに行いましょう。

今回の主張であるイシューとサブイシューは明確に
言語化できているか、サブイシューの分析は
論理的におかしなところはないかを
『WHYの並び立て』、『空・雨・傘』などを
利用して確認していきます。

WHYの並び立ては、ひとつが倒れても大きな影響
を与えない場合は多いですが、『空・雨・傘』
論理構成はどこか崩れてしまうと形を成さなく
なってしまいます。

第3者に聞いてもらうなどして論理的な落とし穴は
ないか確認してもらうのも有効です。

具体的なチャートを作成する際には
『1チャートに1メッセージ』を意識します。
これまでの分析から、言いたいことは山のように
溢れている可能性が高いです。

ですが、求めるものが聞き手を意識したプレゼン
であるのなら伝えたいこと、その論理構成に
フォーカスを合わせるべきで、何を言うかよりも
何を言わないかに着目する方が全体的にまとまり
良いプレゼン資料になります。

主張が複数あるのであれば、チャートは分けた方が
より聞き手の意識は向けられます。

[7]あとがき的なもの

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今回は過去最高のボリュームで
安宅和人著『イシューからはじめよ』を要約
しました。

この『イシューからはじめよ』は情報の見極め方
集めかたについて多くを述べていますが、
決して情報収集がメインではないんですよね。

たしかに重要な要素ですし、それなしにこの名著を
語ることは出来ないですが、メインはあくまで
『行動をすること』がメインであると思います。

いかに効率よい行動が出来るか、そのための
思考法を学べる本なんですね。

たくさんのモノ、情報につつまれて暮らすことを
強いられた私たちには、何をやるべきことなのか
何をするべきなのか、にフォーカスをすることが
ままならない、というのが現状なのではないで
しょうか。

だからこそ、この『イシューからはじめよ』は
この世界に必要で大事なものを教えてくれる
一冊であると思います。

『価値のある仕事』とは何なのか
今一度、しっかり考えてみましょう。

このレビューでは語る事のできない多くのメソッド
が本書には詰まっています。

さらに次のステップを目指される方はぜひ本書を
手にとって読まれることをお勧めします。

では、最後までご覧いただき
ありがとうございました。

また次回☆ミ

書籍レビューはこちら

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