最強の脳トレは有酸素運動!『BRAIN 一流の頭脳』要約レビュー

[1]はじめに

今週はアンダース・ハンセン著
『BRAIN 一流の頭脳』をレビューしていきます。

はじめに、著者のアンダース・ハンセン氏の
略歴です。

スウェーデンのノーベル賞を決定する世界最高峰の
研究機関である『カロリンスカ研究所』で研究を
重ね、2000件以上の医学記事を発表した
世界的研究者です。

この1冊はそんな著者が明かす、世界の最新知見を
集約した『脳の機密情報』について書かれた書籍
と言えます。

本書の要約を先にお伝えすると
『運動が脳にどれだけ大きな影響を与えるか
 ということについて様々な文献を引用し
 具体的に書いてある書籍』
といえます。

今、『運動が脳にあたえる影響』と聞いて、あまり
ピンとこないかたもいらっしゃると思います。

一般的に運動というと、健康やダイエットと結び
つけますよね。

これは間違いではないですが正解でもありません。
なぜなら運動が脳に与える素晴らしい影響が
科学的に明らかになっているからです。

それにも関わらず、そのことを知らない人が多い
のが今の現状なのだと思います。もちろん、本書
を勉強するまで私もその一人でした。

しかし、実は運動は
ストレス解消
集中力改善
うつの改善
やる気の改善
創造性、記憶力アップ
などの素晴らしい効果あることが分かって
います。これだけの効果が誰でも手に入れることが
出来るんですよね、運動はやはり凄いです。

今現在、運動することを習慣にしていない方が
いらっしゃいましたら、このレビューで
『運動が脳に与える素晴らしい影響』を学び、
日常の中で運動をする習慣を身に着けて
いってください。

今回の目次は以下のようにしました。
[1]はじめに
[2]ストレス解消、うつの改善
[3]集中力を向上させる
[4]うつの改善
[5]効果的な運動量
[6]あとがき的なもの
順に見ていきましょう。

[2]ストレス解消、うつの改善

運動はストレス解消、うつの改善を促す効果
あることが分かっています。

運動をするとリフレッシュできます。ストレスを
解消する効果があることは、何となく体感的に
ご存じの方も多いと思います。

運動がストレスや不安を吹き飛ばすということは
体感的なことだけではなく、科学的に証明されて
いることでもあるんですね。

運動の強力な効果を理解するために運動が
ストレスにどのように作用するのかを簡単に
見ていきたいと思います。

ストレスの正体は『コルチゾール』というホルモン
です。これが体内で生成・分泌されることによって
動悸が早くなるなどの体のストレス反応
起こります。

ストレス反応が強くなりすぎるとパニックが
起こってしまいやすくなります。脳はストレス反応
を抑制しようとするため、ある個所が過敏に
なります。

それが脳の中の『海馬と前頭葉』と言われる個所
です。これらの箇所はそれぞれ、以下の役割を
担っています。
海馬:脳内の記憶を司る
前頭葉:衝動を抑えるなどの理性を司る

箇所であることがそれぞれ分かっています。

継続的にストレスを受け続けることにより、この
海馬と前頭葉は萎縮してしまうことが
分かっています。

実際に長期間ストレスにさらされ続けた人の海馬
は小さくなっていること、極度の不安に悩まされる
人の前頭葉が小さくなっている、ということも
分かっているそうです。

そのため、ストレスが長期的に続くと海馬が萎縮
して短期的な記憶喪失になってしまったり、
前頭葉の働きが阻害されることにより、キレやすく
なるなどの理性的な判断が出来なくなって
しまいます。

これらを改善していくのが運動です。
運動がストレスに対して効果的な働きをする理由は
主に2つあります。
・海馬と前頭葉の働きが運動によって向上する
・コルチゾールの分泌量が減る

運動によって海馬と前頭葉の動きを改善することが
出来れば、ストレスの暴走を抑えることが出来る
ようになります。

また、そもそもストレスの元となるコルチゾールの
分泌量が低下することにより、ストレスを感じ
にくくなるんですね。

これらのことから、運動はストレスに強い体に
なっていく
と言えます。

フィンランドで3000人以上の人を対象とした
研究では、週に2回以上運動しているひとは
ストレスや不安とほぼ無縁
であったそうです。

ストレスが全くない、というひとは現代において
いないと思いますし、人それぞれ自分にあった
ストレス解消法もあると思います。

運動はストレスを軽減し、耐性を高めてくれる
効果も科学的に認められていますので、ぜひ
習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。

[3]集中力を向上させる

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運動は集中力を向上させる働きがあることも
分かっています。これは、運動をすることで
ドーパミンと言われるホルモンが分泌されるから

です。

ドーパミンが多く分泌されると、周囲の雑音が気に
ならなくなり、目の前のことに集中することが
出来るるようになります。

さらに集中力をコントロールする役目を果たして
いる前頭葉の機能も前述のとおりに運動によって
向上します。

・ドーパミンの分泌量が増える
・前頭葉の機能向上

この二つの効果によって運動は集中力の向上に
効果があると言われているんですね。

大人を対象にした研究では週に3回、一回45分
のマシンウオーキングをしたグループと
同じ頻度と時間をヨガやストレッチをした
グループに分けたところ、半年後ウォーキング
をしていたグループに集中力の向上が認められ
前頭葉の動きも活発化していたそうです。

子供を対象にした研究もおこなわれており、
200人の子供を対象にした研究でも、12週に
わたり調査をした結果に目を見張ります。

・心拍数をあげる運動をした子供
・絵やスケッチをして静かに過ごした子供


を比較したところ、心拍数があがる遊びをした
子供たちに集中力の改善が見られ気分のムラが
減り、癇癪を起こす頻度も減ったという結果が
得られました。

研究によっては、5分ほどの活発な運動をするだけ
で子供たちの集中力は改善が見られたそうです。

このどちらにも言えることは
心拍数をあげた運動をしたほうが集中力の改善の
効果が高いということです。

集中力は、気が散りやすい現代人にとってはとても
関心のあることだと思います。

実際に集中力にかかわる自己啓発の書籍や
サプリメントなど多く世に出ています。

ですが運動であればお金をかけずに、しかも副作用
もなく少しの時間でも継続させていくことにより
改善が見られます。

それであれば、取り組まない理由はないように
思えます。

最近、集中力が持続しないというかたはぜひ運動を
取り入れて行きましょう。

[4]うつの改善

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最近、仕事が忙しくて鬱気味、何をするにもやる気
が起きない。
こんな悩みを抱えている方は
いませんか?

もう、言うまでもないですが運動をしましょう。

運動はうつには目まぐるしい効果があることが
証明されているんですね。というのも、運動には
抗うつ剤と同じような効果がある
ことが判明
しているんです。

もちろん、うつまで行っていなくてもその手前の
・少しだけ気が滅入っている
・やる気が出ない

このような人にも運動は効果的です。

なぜ、こういったことが起こるのかを見ていこうと
思うのですが、脳内の因子のひとつに
BDMF(脳由来神経栄養因子)というものが
あります。この物質の主な働きを見ていきます。

・脳を守る
脳卒中や、頭を強打して脳の損傷が起きると放出
されます。脳を守る役目を担った物質です。

・脳細胞の成長を促す
記憶を司る部位の海馬の成長を促します。

・脳の細胞間のつながり強化
脳内のニューロンネットワークを増やす働きが
あり、記憶力の向上に寄与します。

・うつ病の改善
うつ病の人はBDNFの分泌量が少ないそうです。
さらに自殺してしまった人の脳内もBDNFの量が
少ないことが分かっています。

これらの他に、アルツハイマーなどの病気にも
大きくBDNFは関連しています。
運動をすることで、このBDNFの分泌が増える
ということが分かっています。

これらの事から、以下のことが考えられます。
運動することでBDNFの分泌量がUPします。
その結果、以下の恩恵が得られるんですね。
[1]新しい脳細胞が作られる
[2]記憶力も向上
[3]うつややる気の改善
すごいですよね、運動って。

この事を裏付ける研究として、うつ病の治療を
する人を以下の2つのグループに分けました。
・抗うつ剤を服用する人
・運動を習慣に取り入れている人

この2グループを追跡調査した研究があります。

結果的に、うつから回復した人の人数に大きな差は
見られなかったそうです。ですが、さらに半年後の
追跡調査で抗うつ剤を服用していたグループよりも
運動を続けていたグループのほうがうつ病の再発は
少なかった
そうです。

この結果だけを切り取ると、
運動はうつには大きな効果があり抗うつ剤
よりも強い作用をもたらす可能性が高い
ということが言えますね。

[5]効率的な運動量

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これまで、運動が脳にもたらす恩恵について
みてきました。では、ここで疑問にお答えしたい
と思います。

そうです、
『脳に良いのは分かったけど、
 いったいどれくらいやればいいの?』

ですよね、この疑問は当然ですよね。

厳密には、得たい効果などでその条件は変わって
くるそうではありますが、おおむね
週に2,3回の30~45分程度の運動
が良いそうです。

運動はウォーキングで大丈夫です。
疲れすぎないこと、が何より大事なので
息切れをするようならランニングよりも
ウォーキングの方が効率的です。

30分も運動するのなんてムリ!という方も
ご安心ください。
一日5分でもやらないよりはマシだそうです。
それなら出来そうですよね。

おすすめは電車で通勤/通学をされている人は
ひと駅先に降りて歩いてみることや
自転車に乗るのを徒歩に変えてみる

などはいかがでしょうか。

ここでは長くなるので触れませんが、
『継続をするためのテクニック』なら私が日々
試しているものがありますので、他の記事で紹介
しているものをリンクを貼っておきます。

[6]あとがき的なもの

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これまで、『BRAIN 一流の頭脳』について
レビューをしてきました。いかがでしたで
しょうか。

運動というと、健康やダイエットを思い浮かべる
人がたくさんいますし、それが一般的です。

これからは、運動が脳にもたらす効果をこの記事で
学ぶことが出来たので、運動をするときにもより
意義や意味を見出すことが出来るようになった
思います。

人類は200万年続いた狩猟採集の時代に
形成された脳の作りを今日も持ち続けた
ままである
というのが
最近の脳科学において当たり前となっています。

テクノロジーは確かに便利ですし、生活を間違い
なく豊かにもしてくれます。

ですが、忘れてはいけないのは私たちの脳は
古代のままですので、本来備わっていない環境へ
無理やり慣らさせて日々私たちは生活をしている
んですね。

そのためにたくさんの病気が引き起こされている
と言います。

糖尿病に代表される成人病や、うつ、循環器系の
疾患
などなどです。

脳を最適化させていくことは、この時代に
生きる私たちにとって、もはや必須なこと
なのであろうと思います。

その最適解こそが、運動なんですね。

この記事では取り扱えなかった運動がもたらす
脳への作用としてまだまだたくさん本書の中で
語られています。一例を箇条書きにします。

・運動を定期的に行った人は幸福感が増す
・創造性を高める
・子供の学力を伸ばす
・認知症など脳の老化に効く

より詳しい情報を知りたい方はぜひ、本書を手に
取って、最新の脳科学から導き出された知見を
吸収していってください。

では、最後までご覧いただき
ありがとうございました。

また次回☆ミ

継続するために私がやっている方法5選

書籍レビューはこちら

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