コミュニケーションの断絶から世界を救え 天才を殺す凡人 濃厚レビュー

[1]はじめに

今日は、今週勉強をしてきた 天才を殺す凡人
についてレビュー記事をお届けします。

人間を著者独自の視点で3つに分けていますが
その視点の秀逸さに目を見張る1冊
なっています。

今回の記事でそれぞれの人が持つ特徴を理解して
円滑なコミュニケーションをはかっていくことが
出来るようになると思います。

今回の目次はこのようにしました。

[1]はじめに
[2]社会を構成する3タイプの特徴

 1.社会を構成する3タイプ
 2.天才
 3.秀才
 4.凡人
 5.天才の抱える孤独
[2]各タイプの相性診断
 1.天才と秀才
 2.天才と凡人
 3.秀才と凡人
 4.相性診断のまとめ
[3]天才に殺される凡人
[4]各タイプの武器を磨く

[5]あとがき的なもの

では、見ていきましょう。

本書、天才を殺す凡人の著者である北野唯我さんの
紹介から。

神戸大学経営学部を卒業後、就職氷河期に博報堂へ
入社。その後はボストンコンサルティンググループ
へ入社します。

2016年にハイクラス層を対象にした
人財ポータルサイトである『ワンキャリア』を企業
現在は執行役員をされています。

2018年に発売した『転職の思考法』が
ベストセラーとなり、その次回作となったのが
この『天才に殺される凡人』です。

2019年に発売され、発売後たった3か月で9万部を
売り上げた話題沸騰中のベストセラー本です。

本書は、社会を構成する人を3つのタイプに分け
それぞれのタイプ別に思考の特徴などを
まとめたものですが、妙に的を得ていて
とてもためになりました。

人間の才能とは何か、なぜ人はすれ違ってしまう
のか。私たちは自分に与えられた才能に対して、
どのようにその特徴を伸ばしていけばいいのか。

本書はそんな疑問に対して、今注目を集める
ビジネス作家が物語形式にして読みやすく
まとめた一冊と言えます。

ビジネス系のコラムとしては異例の30万PVを超え
Facebookでのシェアは25,000に達し、今でも
天才、秀才、凡人に対する議論が続いている
ほどです。

この本で述べられている結論を一言で表すならば
天才、秀才、凡人の特徴を理解し
あなたの才能を伸ばしていこう

ということになるかと思います。
では、レビュー記事の本編へ行きましょう。

[2]社会を構成する3タイプの特徴

コロナ終息後に必要なこと

1.社会を構成する3タイプ

本書で語られるおおまかな軸は
『人のもつ特性を3つに分けたもの』です。

・天才
・秀才
・凡人

とその特徴から3つに分けられており、人はこの
3つのどれかに該当すると述べられています。

ここで大事なのは、凡人だから天才や秀才よりも
劣っているということではなく、あくまで
そういう役割をもっているということです。

凡人にも天才に出来ないことがありますし
その逆もあります。上下の関係性はないんですね。

さらに、人は誰でもこの3つの性質は
併せ持っており。そのバランスは千差万別
です。

私は、個人的には 凡人5 秀才4 天才1 の
割合なのかと思っています。

なぜ、そう思うのかはこれからそれぞれの特性を
お話していくので、あなた自身はどの特性が一番
強いのかを想像しながら見ていってくださいね。

2.天才

天才とは、創造性を重んじるタイプです。
独創的な着眼点を持っています。

人々が思いつかないプロセスで物事を進められ
やってみたいと思ったらとことん気のすむまで
やりたくなるという特徴があります。

革新的な何かを生み出したとしても
成功するまではその価値に誰も気づけない
ので孤独を感じやすい傾向があります。

3.秀才

秀才は再現性を重んじるタイプです。
論理的に物事を考え、堅実に物事を進められます。

学歴があるエリートサラリーマンのような
論理的な思考で物事をあらゆる角度から分析し
再現性があるのかどうかを判断することが
出来ます。

秩序や論理や数字に長けているので、
一番形に残る成果を残しやすい人と言えます。

4.凡人

凡人は共感性を重んじるタイプです。
感情や周囲の気持ちを読むことが得意です。

相手の反応を予想しながら動ける人とも言えます。
人間の9割以上がこのタイプに属します。

人数が圧倒的に多いこともあり、その共感力の
高さから多数決に流されやすい特性があります。

5.天才の抱える孤独

天才タイプは革新的なアイデアを生み出します。
Appleのスティーブ・ジョブズや
Facebookのマークザッカーバーグなどが
この天才タイプに属します。

天才は凡人の協力失くして大きなプロジェクトを
達成することは出来ないということを
自覚しています。

さらに幼少期から天才は凡人にいじめられている
ケースも少なくなく『理解されたいという気持ち』
は根強く残っています。

[2]各タイプの相性診断

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それぞれのタイプの特性はなんとなくお判り
頂けたでしょうか。

これからはそれぞれのタイプがどのように相手を
認識しているのかについてまとめていきます。

面白いようにジャンケンのような関係になっている
のがお判りいただけると思います。

1.天才と秀才

秀才は天才に対して自分には生み出せない創造性を
持っていることに対してあこがれがある反面、
妬みも併せ持ちます。天才は秀才に対して
興味を持ちません。

2.天才と凡人

凡人は天才のことを理解できません。
天才も共感性をもっていないので自分の考えている
ことをうまく伝えることが出来ません。

この結果、天才は凡人に対して理解してほしいと
思っています。凡人は天才に対して
理解できないので排斥したいと思っています。

3.秀才と凡人

凡人は理論的に物事を捉え、再現性を見つける
秀才のことを天才だと勘違いします。
一方、秀才は凡人のことを群れるしか脳がない
と見下している傾向が強いです。

4.相性診断のまとめ

3者の関連性はこのような図で表すことが
出来ます。


それぞれが相反する作用をしている関係性で
起こることがあります。それが本書のもうひとつの
テーマである『コミュニケーションの断絶』です。

世界は崩壊への道をたどりそうではありますが
ごくまれにどちらの特性も兼ね備えた逸材が
いるそうです。

天才と秀才の特性を持つエリートスーパーマン
天才と凡人の特性を持つ病める天才
秀才と凡人の特性を持つ最強の実行者

かれらがコミュニケーションの断絶から崩壊しつつ
ある世界を救う
とも述べられています。

エリートスーパーマン
高い創造性と論理性を兼ねそなえ、天才と秀才を
つなぐ存在です。共感性はほとんどありません。

最強の実行者何をやってもうまくいく、めちゃくちゃ要領の
良い人です。ロジックを無理やり押し付けるのでは
なく人の気持ちも理解できます。
結果的に一番多くの人の気持ちを動かし
会社ではエースと慕われるような存在です。
それでいてやっぱりモテます。

病める天才
一発屋のクリエイターなどがここに当たります。
高い創造性と共感性を併せ持つので
凡人の気持ちも分かります。

爆発的なヒットを生み出すことが出来ますが
再現性がないため悩み、病んでしまう傾向が
強いです。

[3]天才に殺される凡人

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人物の相関性をこれまでお伝えしてきました。
これからはなぜ天才は凡人に殺されるのか、を
見ていきたいと思います。

『新しく設立されたベンチャー企業』をイメージ
してもらいたいのですが設立当初の黎明期は、
天才が起業し社長職をやりながらごく少数の
人数で事業を開始します。

天才の才能やビジョンに惚れ込み、幾人かの同志が
集まって始まるんですね。

ある程度軌道にのってくると、事業の拡大に
伴って人員不足に確実に陥ります。

それを解消するために人材募集をするのですが
そこで入社してくる人のほとんどは凡人ですよね。

人数が増えてくるとワンマン社長ではさすがに
管理が行き届かなくなります。
役職も増え、取締役会なども始まることでしょう。

そこで起きるのが『コミュニケーションの断絶』
です。創業当初の社長自身を慕って入社していた
黎明期の社員はごく一部になってしまっています。

大多数の凡人は天才の考えに理解できないので
排斥するように事が運んでいきます。

秀才からも嫉妬の矢を向けられ結果として
『多数決という数の暴力』によって天才は行き場を
失い、最悪の場合は自ら設立した会社からも
追い出されることになってしまいます。

まさにこれと同じことがAppleの創業者、ジョブズ
にも起こっていますよね。他業種でも輝かしい成果
をあげ、再びAppleのCEOに返り咲いたのは
凄い話ですよね。

これらの事から、天才を殺すナイフを凡人たちは
持っている
ことが分かると思います。

天才が凡人によって殺される理由の99.9%は
こうしたコミュニケーションの断絶から
起きており、成熟した大企業から次代を席巻しうる
イノベーションが起きずらいのもこれが理由だと
述べられています。

大企業がイノベーションを起こしていくには
「根回し」が極めて重要です。

新しいことを始めるには様々な部署への働きがけ
が必要だからです。

天才は突出した創造性から革新的なアイデアを
持っていたとしても、再現性や共感性は
著しく持ち合わせていないのでその他大勢を
説得することは出来ません。

人からの共感を得る作業というのは天才にとっては
ものすごく骨の折れることなんですね。

天才がこの新しいアイデアを具現化するには、
この『天才をサポートする人物の存在が不可欠』
です。

凡人は一般的に天才のことを理解できない、という
性質があることをお話しましたが、ごくごくまれに
凡人のもつ「共感性」を突出した素晴らしい共感力
を持った凡人が居ます。

彼は、その類まれなる共感力によって
本当の天才は誰だか見抜くことが出来ます。


そんな凡人を本書では『共感の神』
呼んでいます。

この共感の神を見つけることが、天才が大所帯の
企業の中でも生き残るたった一つの方法です。

この共感の神が天才の考えかたや生み出す価値を
理解し、その共感力で他の凡人の共感を得ること
で、天才は殺されることがなくなります。
さらに、共感の神は秀才をも自分の言葉で
味方につけます。

そうすることで最強の輪が生まれます。

天才が発案した革新的なアイデアを
共感の神が凡人、秀才たちに広め伝搬し
秀才がデータや再現性により世に出します。
凡人たちは持って生まれた共感力により、
多くの成果を叩き出す。

これが最強の輪です。

[4]各タイプの武器を磨く

picture

凡人は天才のマネは出来ませんし
秀才も天才のマネはやはり出来ません。
同様に、天才も凡人や秀才のマネは出来ません。

あなたが生まれ持った才能を正しく理解して
強みを伸ばしていくために必要なポイントを
解説していきます。

3つのタイプについて学ぶことが出来ました。
どのように本書での学びを活かしていけばいいのか
を見ていきましょう。

それには3つのステップがあります。
[1]自分の才能を理解し活かす
[2]相反する才能の構造を理解し活用する
[3]武器を選び抜き、リミッターを外す

順に見ていきます。

[1]自分の才能を理解し活かす

まずは自分の特性はどこにあるのか、をしっかり
見極めましょう。

それぞれの役割に上下の関係はありません。
ありのままに自分の得意とする分野を
考えてみましょう。

[2]相反する才能の構造を理解し活用する

あなたは何かをやろうとするときに自分と違う
タイプの人は基本的に話が合いません。しかし、
あることをすれば『自分に協力してもらう』
ことが出来ます。

それは、『相手と主語を合わせること』です。
主語を合わせると交わらないタイプが相手でも
会話が可能になります。

以下にそれぞれのタイプがどのような主語を
持っているかを表します。

天才
世界や心理などの超越した何か
物事を話します。

秀才
組織やルールなどの善悪やデータなどです。
根拠など一般的な常識を用いる傾向が
強いです。

凡人
人メインで語ります。「私」「あなた」
「〇〇さんが」「△△部長が」


これらを覚えておいて、目の前の人がどんな
言葉を主語に話すことが多いのかを
見極めていきましょう。

自分も同じ主語を使う様にすることで会話が
生まれます。これにより、タイプの違う人で
あっても協力を得ることが可能になるかも
しれません。

例えば、凡人に向けては共感性に訴えかけます。
「あなたがこれをしれくれたら助かる」

秀才に対しては「あなたならどうしますか?」
問いかけてみましょう。

秀才は凡人よりもより堅実に周りのことが
見えています。また、再現性を重く見るため
自分の過去の発言も重んじています。

天才に対しては、その場のひらめきや
インスピレーションを与えられるものに興味を
持ちます。知的好奇心をくすぐる魅力的な問いを
用意するのも良いでしょう。

[3]武器を選び抜き、リミッターを外す

3つのタイプにはそれぞれ得意な武器があります。
自分のタイプにあった武器を磨くことで
人から認められる成果をより上げられるように
なります。

天才
▶創造性を発揮できる芸術や起業の分野

秀才
▶再現性を活かせる科学、マネジメント

 法律

凡人
▶共感性を活かせる営業、マーケティング

生まれ持った才能と得意とする武器を掛け合わせる
ことがより大きな成果へと結びつくことでしょう。

[5]あとがき的なもの

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人生は与えられたカードで勝負するしかない
与えられたものをどのように活かして
活躍していくのかということに関して本書は
ヒントとなることでしょう。

大事なことをお伝えしますが人は誰でも
天才でもあり秀才でもあり、凡人でもある

ということです。

自分の中にも3つの才能があることを
自覚しましょう。いづれかの特性が色濃く
出ているのが今のあなたです。

目指していくべきは、どちらの特性ももった
病める天才、最強の実行者、そして
エリートスーパーマンを、さらに可能であれば
共感の神を目指していきたいですね。

著者の北野さんは

この本を読んだ読者の方が、自分と違う軸で
物事を考える人のことも想像できるように

なって、自分の中にいる天才とか、まわりに
いる天才にやさしくしてあげられるように
なったらいいなぁ

と話しています。

自分の軸にこだわると相手が理解できないことが
あり、結果としてムカついたり、衝突してしまう
こともあるかもしれません。

ですが、仕事は異なる価値観の人とも協力して
社内社外問わずお客さんに望む価値を
届けることが本質
であると思います。

そのためには、異なる価値観を持つ相手の立場を
出来る限り想像することがやっぱり重要なのかな
と思います。

本書はビジネス本として珍しく、ストーリー仕立て
で物語が進んでいきます。

こんな時、自分ならどうするだろう?と
問いかけながら読み進めていくことで
その後の展開にまたのめり込めると思います。

ぜひ、本書を手に取って読んでみるのを
オススメします。

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