[Covid-19]尾身茂氏 山中伸弥教授 コロナ対談まとめ(前編)

尾身氏 山中氏 コロナ対談 

こんにちは、今日は3月に行われていた件名にあるお二人の対談についてのまとめ記事を作成しました。前回のYOSHIKIと山中教授との対談同様、かなりのボリュームとなるかと思われましたので2回に分けて進めていきたいと思います。

  • 敵を知る
  • 現状を知る
  • ゴールを知る

この3つの章に分けて対談は進められていきましたが、今日は一番上の『敵を知る』にフォーカスをあてて纏めました

敵を知る

コロナウィルスとインフルエンザとの違いは、またクラスターとは何でしょうか?

クラスターという言葉はインフルエンザでは聞きませんが、コロナウィルスは例えば5人に感染しても濃厚接触者であっても4人は感染させません。
残った一人だけが飲み会やライブハウスやマージャンなどへ出かけて行くとそこで集団感染(クラスター感染)となり、またクラスターを介してまた次の集団感染を引き起こします。これがインフルエンザとの明らかな違いです。

感染力は高いですが大事なのはほとんどの人は軽傷で終わるけども、重症になった時の肺炎の危険性はインフルエンザの比ではありません。
対策の要諦はこのクラスターの感染をどこで断ち切るか、ということになります。

2次感染をおこす1人とその他4人の違いはどこにあるのでしょうか?

その1人の特徴は何であるのか、仮説はありますがはっきりとしたことはまだわかっていません。ですがウイルス側の要素ではなく、ホスト側の要素である可能性が高いと考えられています。
ウイルスを浴びた量が多いと上気道で多くウイルスが増殖し、咳などで多くのウイルスを飛散させます。ウイルス自体が対象の人によって凶暴性が変化するのではなく、あくまでホスト側の要因と考えられています。


5人のうち4人は大丈夫、その残った一人にどのような傾向の人がなりやすいのかは分かっていないのでしょうか

誰が5人のひとりとなりえるのかは分からないけれども「クラスターが起こりやすいリスクの高い場所」というのはわかっています
そのような場所は公園ではないし道路でもなく、ライブハウスや飲み会の場所であったりといった閉鎖した空間がクラスターの感染の連鎖をおこす場所であると認識し、集中的に対策をとる必要があります。

若年層は比較的症状が軽く、社会活動も活発であるのでたとえ感染してしまったとしてもご本人の責任ということは全くありません。
ただ、このウイルスはこれまで話してきた性質があると理解して頂いて、感染の恐れがある場所へは行かないように専門家会議でも発信しています。

尾身氏 山中氏 コロナ対談

季節性のインフルエンザで毎年500万人以上が感染しそれに関連してなくなる人は1万人位いるといわれています。
季節性という名の通り暖かくなると患者さんはいなくなる、新型コロナウィルスもそうであることを
願っていますがいかがでしょうか?


暖かくなるとウイルスは増えにくい、ということはあります。ですが、人間側もクラスターが発生しやすい場所を避けるなどの対策をとること、これはストレスにはなりますが高齢者を守るためには必要な措置です。


致死率について中国のデータですが若い人はほとんど重症化しない一方、70歳80歳になると死亡率は10%越えて高くなっている
日本でも同じことが言えるのでしょうか


最終的に日本の対策が世界に評価されるのは死亡率であると思います。
日本は世界で見ても超高齢化社会ですからなるべく高齢者のかたに感染がいかないように対処することが大事です。

65歳以上では1% 20から64歳は0.15% 20歳以下の感染者はほとんどいません。
高齢者で基礎疾患を持つ人はリスクが高いというのはもう皆さんご存知のことかと思いますが感染が確認されたうちの80%は軽傷、14%が重症、6%が人工心肺を使うような重篤です。

重症化した14%もその半数は回復していることはややポジティブなこととして受け止めていいのだと思います。インフルエンザはそれ自身のウイルスというよりは合併症を引き起こして重篤化する可能性が高いのですが、今回のウイルスの特徴として1週間くらいはほぼ症状もなく、軽傷で済むのですがその後回復する人、大きく肺に細菌性の肺炎が直接攻撃をしかけることにより重症化するケースが多いです。

10歳から20歳までの感染者はほとんどいませんが、学校を休校させることに意味はあるのでしょうか?

インフルエンザの比較で見てみるとわかりやすいですが、2009年のインフルエンザの大流行は日本の致死率は世界でも類をみないほど低かった、これは学校を休校させたということが大きな要因のひとつとして挙げられます。

学童さんには全く責任はないですが、感染してしまっていた子供さんが自宅の妊娠されている母親や同居している高齢者に感染を広げることを防ぐ、という意味合いが社会的な問題はありますが強いです。

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[Covid-19]尾身茂氏 山中伸弥教授 コロナ対談まとめ(後編)

尾身茂氏 山中伸弥教授 コロナ対談まとめ

前編はこちら

こんにちは、今日は3月に行われていた件名にあるお二人の対談についてのまとめ記事を作成しました。前回のYOSHIKIと山中教授との対談同様、かなりのボリュームとなるかと思われましたので2回に分けて進めていきたいと思います。

  • 敵を知る
  • 現状を知る
  • ゴールを知る

この3つの章に分けて対談は進められていきましたが、今日は2番目の『現状を知る』および最後の『ゴールを知る』にフォーカスをあてて纏めました。

現状を知る

日本で行われているPCR検査の数は少ないのが現状、実際の感染者数はもっと多いのではないでしょうか?

私個人としては一番理想なのは自分は感染をしているのかどうか知りたい人は多いと思うが公衆衛生という観点からこれは難しいというのがひとつです。
PCRはどういう人にやるべきなのか、という指針を明確に決めておくことが大切です。

1日熱がでたらすぐPCRではなく、4~5日後も熱が下がらない場合は相談、
もしくは初日から重い症状があるなら別、高齢者もこのルールからは除外。
医療のキャパシティを超えない程度の線引きには考慮が必要。などの状況により細かなルールを精査する必要があります。

一方、自主検査キットの活用は急がれます。現在は感染した方から抗体を採取して進めているところになります。

シンガポールの対策は進んでいる、という印象をもっていますが、シンガポールでやっていることで日本が見習うべきことは何かありますか?

シンガポールはSARSの時に大きな痛手を負った経緯もあり、教訓が活かされ対策はしっかりしています。シンガポールがやっていることは日本もやっています。このウィルスとの戦いで勝つには国民の皆さんが出来ることがあります。

クラスターを早く見つけるという努力が極めて重要、これまで以上に人的リソースを投入していく必要があります。保健所の人たちが電話応対をしながらクラスターを見つける作業を請け負っているのが現状で、国はここにリソースを投入する必要があります。

感染症指定病院の問題もある、一般のクリニックも参加してもらう必要もある
懸念としてはそのクリニックでクラスターが発生する可能性もある、
今の感染防止を目指した水準のままでは危険と思われます。

コロナウイルスがここから半年から1年で免疫をもっていない中、どれくらい広がってしまうのでしょうか?

実際に報告されている数より感染者数については未知数です。今の時点ではどれほど感染が進んでいるのかはなかなか今は分からないです。ですが、限られた情報や実感では集団免疫ができるほどの感染は起こっていないと思われます。ちゃんと感染の拡大を抑制をしっかり行う必要がある。

ゴールを知る

ピークを後ろへできるだけ遅らせて低くする、同時に医療のキャパシティを超えないようにするというのが今のゴールでしょうか?

対策のゴール

北海道のケースでは早めに知事の英断で緊急事態宣言を行うことにより、ゼロにはならないにもあがり始めた曲線を下げる、落ち着かせることがある程度できました。

今回のウイルスはインフルエンザとは違いクラスターさえ抑え込めれば辿る道は大きくかえられます。ゴールとしては死亡率を減らすことでウイルスを失くすことにはならないと思います。

非常事態宣言の取り組みがどれだけ評価されるかはこれから。それ次第ではリスクの少ないところは部分的に解除も可能になることはありえる。

以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。記事投稿時は5月3日です。自粛期間がさらに伸びますが経済へのダメージが深刻です。可能な限り外出は避け、これ以上の自粛の延長とならないようにしていきたいですね。

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