教科書に載っていない社会人スキルを教える教科書 これからの会社員の教科書 徹底レビュー

こんにちは。今回のレビュー記事は
これからの会社員の教科書です。

著者の田端信太朗さんは
エクストリームサラリーマンの異名をもつ方で
リクルート、Live door、LINE、ZOZOなど
日本の大企業から外資系、ベンチャー企業など
数多くの有名企業を渡り歩いてきた方です。

そんな方が、これからの社会へ巣立つ
「新人ビジネスパーソン」へ向けて書かれた
一冊が本著です。プロになるためのマインドが
ギュっと凝縮されています。

この本に書かれていることはテクニックと
いうよりかはその根本、マインドセットに
近いものが多いと思います。

どの職種であろうとも網羅できる内容です。
誰でも身に着けられるものとも言い換える
ことが出来ますね。

今回の目次は以下のようにしました。
【1】最強の新人になるための心得
  ①単純作業にチャンスを見いだせ
  ②仕事の制約条件と目的を確認せよ
  ③上司への質問は

   クローズドクエスチョンで
  ④ファクトとオピニオンを使い分けろ
  ⑤派閥争いの潮流を読め
【2】根回しスキルを身に着けろ
  ①外資系企業の根回し事情
  ②正しい意見が通るとは限らない
  ③根回しは順番が命
【3】社交スキルを身に着けろ
  ①会食を逆に利用しろ
  ②幹事をやれば「影響力」を得られる
  ③昭和の礼儀も守った方がトク
【4】あとがき的なもの

では行ってみましょう!

【1】最強の新人になるための心得

①単純作業にチャンスを見いだせ

単純作業はどんどん嫌われる傾向にあります。
私も単純作業はあまり好きではないです。
めんどくさがりですしね。

効率化という波は確実に押し寄せてはいますが
それでも全部の単純作業に意味がないという
わけではありません。

例えばですが、コピーを頼まれたとします。
・ただコピーを出来上がるの待つのか
・中身を見てどういう時に使われる資料か確認
などのラスアルファ出来る意図が隠されている
ことが往々にしてあります。

こういうことの積み重ねが
他の新人と自分との差別化につながっていきます。

②仕事の制約条件と目的を確認せよ

振られた仕事はサッカーでパスが回されたのと
同じ意味あいを持ちます。ゴールがどこか
分からずにピッチを走り回りますか?

仕事においても同じことが言えます。
制約条件と目的とはいわばサッカーでいうところの
ゴールです。

部長からコンペの資料を作ってくれ、という
ざっくりな仕事依頼であった場合は
サッカーであれば
・トーナメント戦を戦っているのか
・リーグ戦を戦っているのか
・勝っているのか否か
・残り時間はどれくらいあるのか

これらによって用いられる戦術は様々です。

・コンペで採用されることを目指す資料なのか
・社内の会議で使う資料なのか
・相手の会社のどんな人が見てくれるのか
・こちらの商品の販売価格はどれくらいの
 資料を作ればいいのか

これらは一例ですが、ここを確認せずに作ると
部長の意図したものが作れない可能性が
とても高いと思いませんか?

一生懸命資料をつくって、俺は仕事してやったぜ
ってなっても部長の意図したものでなければ
何の意味にもならないんですよね厳しいですけど。

限られた時間に最大の成果を出すため
制約条件とその仕事の目的を確認しておく
習慣を付けましょう。

③上司への質問はクローズドクエスチョンで

クローズドクエスチョンとは
YES  か NO で答えられる質問方法です。

『部長、どうしましょう?』の質問の仕方は
社会人としてはダメで、大事な抑えておくべきは
自分はどうしたいのか?が全く含まれていない
という所ですよね。

これをクローズドクエスチョンですると
このようになります。

『部長、今は相手先は〇〇なので、△△したら
 良いと思いますがいかがですか?』


というような質問が良い質問です。
もう一度両者を比べてみましょう。

『部長、どうしましょう?』
『部長、今は相手先は〇〇なので、△△したら
 良いと思いますがいかがですか?』


どちらが出来る社員なのかは一目瞭然ですよね。
自分なりの解釈を添えるのは、現状はどういう問題
を抱えているのか?などの調査が必要
なので
手間はかかります。

ですが、仕事は伝言ゲームではないので
たとえ間違っていたとしても、自分の主張は
織り交ぜていけるように日々、所属部署や得意先が
もつ特徴や環境を勉強しておくことを自分の
市場価値を上げることにも繋がりオススメです。

補足ですが逆に上司から部下への質問
クローズドではなく
オープンクエスチョンが好ましいです。

YESかNOを迫られたら、部下は本心を押し殺して
YESと言わざるを得ない状況が大半に
なってしまいます。

その状況はモチベーションの観点からも良くは
ありません。

「こういう時はどうしたらいいと思う?」
のようなオープンクエスチョンを用いていくべきと
語られています。

④ファクトとオピニオンを使い分けろ

ちょっとカタカナ語聞きなれないものだと
『?』 
ってなりますよね。こういう事です。

・ファクト  もう動かない絶対的な事実
・オピニオン 自分の希望的観測

具体例で説明すると部長から
『〇〇社への営業提案どうなってる?』
質問がきたとしましょう。
これでファクトとオピニオンを意識していない人と
している人の答え方の例をあげていきます。

意識していない人の例
『〇〇社の佐藤課長も乗り気だって聞いて
 います。たぶん大丈夫だと思います』

これに対して意識している人は

意識している人の例
『〇〇社の佐藤課長には受注していきたいと
 いう返事は貰っています。ですが、

 上層部の鈴木部長からは明確なお答えは
 頂いていません。
 ここからは自分の希望的観測も含めますが、
 佐藤課長は鈴木部長に影響力のある
 山田専務ともつながりが強く、山田専務

 からも話を通してくれるように折り合い
 がついているようなので、確度は高い
 と思います』

のようになります。
もう動かない事実(ファクト)と
自分の希望的観測(オピニオン)を
しっかり区切って説明していますよね。

聞いた部長も現在の状況がより鮮明に
イメージできたと思います。
このように、ファクトとオピニオンは区別して
報告するように心がけていきましょう。

⑤派閥争いの潮流を読め

出来る社員になると、立場上遠く離れた上司に
気に入られることもあります。

こうなった場合、虎の威を借りる狐になってしまう
人が多いです。

まるで、自分が偉くなったように錯覚してしまう
んですよね。なかなか自分では気づけないので
やっかいです。

でも、永遠に続く権力は特に会社では絶対に
ありえません。その上司が何かの拍子でいなく
なったらどうなるでしょうか?

これまで権力のある上司の傘の中で守られていた
ものが自分の意図しないタイミングで突然無くなる
んです。とても困りますよね。

こうなる可能性を常に頭の片隅には置いておくべき
です。そういう時に『ざまあみろ』って思われる
人間でいるのか、最低限、人としてそうならない
敵を作りすぎることはないようにキープして
おくべきだと述べています。

常に謙虚でいるべきですし、図に乗っては
いけません。日頃からお世話になっている人へ
の感謝や礼儀も忘れないのがあるべき姿なのだ
と思います。

【2】根回しスキルを身に着けろ

根回しという単語を聞くとネガティブな印象を
持つ人が多いかと思います。
この令和の時代に昭和のノリの古臭い企業がやって
るんだろ?って思う人が多いと思うんですが、実は
これは全然違います。

①外資系企業の根回し事情

世界は日々グローバル化していっています。
その中で個人で働いていく時代だっていう意見は
もっともですが、外資系企業のほうがむしろこの
根回しは積極的に行われている
と述べています。

その理由は
仕事が出来ないとすぐクビにされる文化である
からです。

人間同士の集団なので大なり小なり必ず政治は存在
しています。しかも、その根回しをしっかり
出来ないと大きなものは動かせません。

自分が立ち上げたい事業などはむしろ根回し
なしに行えるとは思わないほうが賢明です。

②正しい意見が通るとは限らない

ビジネスにおいて正しいかそうでないかは結果が
出てみないと分からないことが大半です。

ですが、自分は正しいと思うことであれば
突き進めてみる覚悟も時には必要です。

その時に大きな力を発揮するのが根回しです。
言い換えればこの場合は「多数派工作」とも言えます。

自分の意見をつぶそうとする人を一人でも減らす、
あわよくば見方をふやせると尚良いですよね。

味方の中にも事業規模の大きいものでしたら
役員クラスの賛同は最低ひとりでも必要です。

社内の人の立ち位置は千差万別です。
・あなたの意見に賛同してくれる人
・あなたの意見に反対な人
・反対表明を出してまで反対する必要もないと
 思っている人
・どちらでもいいけど責任持ちたくないから
 多数派に乗っかろうという人
いろいろですよね。
これらをどの程度の勢力があるのか見極めるのも
時には必要です。

正しい意見だから正しいことを言えば通る
はずだというのは大きな間違いです。
うまく自分の意見を通すために必要なのが
根回しです。

③根回しは順番が命

仕事には『決裁をする順番』というものが
定められています。課長→部長→役員→社長
のようなことですね。

根回しをするにはこの順番を意識しながらも、
自分の思うことを端的に表明してくれて、なおかつ
自分の意見もポジティブに受け取ってもらえる

こういう人からアプローチするのがベストだと
述べています。

風見鶏のように周りの意見に流されそうな人ほど
最後
に根回しをするようにすれば、周りには
意見を後押ししてくれる人が多いはずなので
より有利に物事が進みます。

【3】社交スキルを身に着けろ

社交スキルは一生ものの武器になるとまで
本書では述べられています。具体的な例を見ていきましょう。

①会食を逆に利用しろ

古今東西、人間と人間が協力する時には
一緒に食事をして団結を図り大きな敵と
戦ってきました。古くはマンモスなんかですかね。

役割分担をしながら狩りをしてみんなでその肉を
シェアしてきました。このように
『協力して事を成し遂げ、みんなで
 その恩恵を得る』
というのは、古来からずっと続いている
いわば本能的なものです。

昔、小泉首相が北朝鮮に拉致被害者を取り返しに
いった際にはランチの時間はありましたが一緒に
食事をすることはありませんでした。

本能的に距離が縮まるのが会食です。
最近ですと残業代が出ないなら参加したくない。
などの意見も聞きますし、その主張も分からなく
はありません。

ですが、この会食の持つ本質を理解したうえで
そう主張するのとそうでないのは雲泥の差が
ありますよね。

個人的には『大切にしたい仲間との会食』であれば
参加していくことをオススメします。

一緒に食事をとるっていうのも、ただの食事と
思うなかれ。
ということです。本能的な連帯感は何者にも
代えられません。

②幹事をやれば「影響力」を得られる

会食の幹事というと、スケジュールを決めて、
予算を決めて出欠確認をして、などなど雑用の
めんどくさいイメージ
ですよね。

権力と影響力の違いということが
本書で語られています。
権力とは『自分が直接命令を下せる』こと
会社であればその命令に従わないものには極論
として査定を下げたりすることが可能では
あります。時としてそのような実力行使も含めて
命令に従わせられるのが権力
です。

影響力とは『自発的にその人が言っていることを知りたくなるような力』あの人の言っていることは確かにスジが通って
いるな、とかマネしたくなるとか、そういうことが
影響力を持つということです。

幹事をやることで、周りへ気づかいする姿勢など
アピールできることはたくさんあります。

盛り上がるプログラムを考えたり、全員で楽しんで
もらえる余興を考えてみるなどのそうしたスキルは
上司は持ち合わせていないかもしれません。

そうした時に、自分の影響力を発揮する事が出来、
さらにあなたのファンを作ることにもなります。

どうせ幹事をやるのであれば機械的に場所を
抑えたり食事をしてもらうだけではなく、
あなたにしか出来ない何かを盛り込められるように
工夫を凝らすことが出来たら最高です。

忙しくてそれどころではないかもしれません。
それでもそういう姿勢というのは
伝わる人には伝わります。

やれる範囲で構いません。参加者の記憶に
残るような会食の場をつくっていけるように
努力も必要です。幹事をこなすことで
影響力を身に着け磨いていきましょう。

③昭和の礼儀も守った方がトク

昭和の古きしきたりとカテゴライズされるような
暗黙の了解。令和のサラリーマンには下らないと
思う人も多いと思います。

会食で酌をしてあげるような気づかいがこれに
当てはまります。これを強要されるのは下らないと
思えますよね。

会食の出席者の中にどれだけいるか分かりませんが
「あいつは酌もしにこない」とレッテルを張られる
ことが残念ながらあります。下らないですよね。

こういうことを言う上司がそもそもイケてないのは
間違いありません。本書でも同様の前置きは
しっかりした上で、ただお酒をついで一言二言の
会話を交わすだけ
です。さっさと終わらせれば良い
と述べています。

酌をすることで自分が損することなんて全くない
です。むしろ、たったそれだけの事ならば
しきたり云々という話ではなく、ただ単に
損得を考えたらさっさとやっておいた方がトク
という考え方です。

いつか自分が意見を通したいときに備えて
HPを少しでも減らさない努力も大事と
いうスタンスです。
下らないことで自分のHPを下げることが
勿体ないという考え方ですね。

取るべきではないリスクをあえて自分から
取りにいくのはベストではないですよね。
たかが酌をする位ならさっさと終わらせましょう。

【4】あとがき的なもの

田端さんというと
『いつも炎上してるイメージ』で
・そんな人が教科書なんて書けるの?
・どんなことが書いてあるの?
・どれほど意外性のあることが書かれて
 いるんだろう?

と期待しましたが、いい意味で裏切られました。

あの田端さんが王道の社会人スキルを語るという
ところの意外性が私にはとても印象的でした。

ご本人もお話になっていますが、
見て、読んで、理解して、さらに実践する
ことで20代の社会人には社会で

失敗しないためのスキルが幅広く見につく
はずです。

30代~40代の人も自分のスキルの確認のため、
新人教育の際に利用するのも良いです。

誰も教えてくれない、いわばお昼休みに
コソコソと先輩から聞いて盗む、といった
教科書では教えてくれてない暗黙の社会人スキル
がびっしり詰まった良書です。

ぜひ手にとってみて下さい。

最後までご覧いただき
ありがとうございました。

また次回☆ミ

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